トイレにいくため狭い通路ですれ違う時

「どうぞ～」

前から来る人に道を譲った

 

それを見ていた多田クンが

「近どーさんやさしー、オレにも

　やさしくして、人にやさしく、

　あっ、ブルーハーツや」

 

あぁ、ちょっとウザい…

 

で、その後二人ならんでトイレで用を

たしてたんですけど、思い出したんで

歌ってやりました

 

「たしか、歌いだしは

　♪気ぃ～が～狂いそお～、だな」

それを聞いた多田クンが

 

「も～、ホンマ気ぃ狂いそう

　いつまで仕事忙しいんかな～」

 

「そうだな～、me tooよのう～」

 

「誰かガンバレって言ってくれんかな

　マイクロフォンの中から」

 

何言ってんだコイツ…

 

「お前さ、マイクどころか館内放送で

　泉課長に言ってもらえよ

　あま～い声でさぁ

　『多田指導員頑張ってください♡』

　所内全体に聞こえるように

　お願いしてみるか、おおぅ？」

 

「うひょ～、めぞん一刻の響子さんみた

　いやし～、あの名セリフ

　『浪人さん頑張って下さい』や～　

　ちなみに泉課長も下の名前恭子やし」

 

あぁ、やっぱウザい…

 

で、ウダウダ言いながら多田クン、

用を足し終わって立ち去ろうとした

 

「ちょっと待てい、先に終わったから

　といって早々に行くんじゃないっ！」

 

「ええ～、なんで～？」

 

「お前な、同時にはじめてとなりで先輩

　がまだ終わってないのにさっさと

　立ち去るのはマナー違反やで」

 

「はぁ？意味わからんし」

 

「あっれ～、まだ終わらんのですか!?

　尿ギレ悪いっすね、まだボーナス

　トラック出てくるんですか、へぇ～

　おっそ～

　みたいで感じ悪いだろうがっ！

　ちょっと待って同じくらいで終わる

　のが暗黙のルールやでっ」

 

「はいはい、わかりました

　応援します、早く出ろ出ろガンバレ～

　ムッシュムラムラ～」

 

「・・・・・」

 

 

 

 

 

お前こそボクにやさしくしろ